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【ライブレポート】『LIVING ROOM』 SIRUP / RAMMELLS / Neighbors Complain[2018/02/22]

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 2月14日、大阪・CLUB JANUSにて「LIVING ROOM」が開催された。本イベントはその言葉のままに、リラックスできる場にBGMとしてかかっていてほしい、思わず音を飾りたくなるような、そんな心地よい音楽を奏でるアーティストたちのステージを楽しんでほしいと企画されたもの。この日はSIRUP、Neighbors Complain、RAMMELLSが出演。ジャンルは違えども、3組ともに2018年の活躍が期待されるアーティストばかりということもあり、会場にはたくさんのオーディエンスが集まり、バレンタインデーの夜を極上の音で酔いしれていた。
 
 まずトップバッターに登場したのは神奈川発の男女混成バンド、RAMMELLSだ。「RAMMELLS、始めます」と1曲目「image」へ。ド頭からぐっと身体に染み込む心地よいリズムを打ち出し、オーディエンスを一気に惹きつけていく。黒田秋子(Vo&Key)の気だるげながらも艶っぽさを含んだ歌声は独特な雰囲気を持ち、早くも会場の空気を我がものへと変えていく様が伝わる。3曲目「Holiday」、CMタイアップ曲として流れていたことから彼らの存在を知った人も多いだろう。メロウな楽曲が多い彼らの楽曲のなかでも、ロック色の強いアッパーな楽曲は要所々々にサイケなカラーも見せていく。ブラックミュージックをベースに、ロックやファンク、ポップスなどジャンルレスな音楽の要素を組み込んだ彼らの音は自由度が高く、楽曲毎に違った表情を見せるのも魅力のひとつだ。
 「お酒を飲みつつ、最後まで楽しんで」と、ラフなMCを挟んで次に披露されたのは「playground」。リズムはより深みを増し、フロアをまったりと包み込んでいく。どろりと身体を溶かして彼らの打ち出す音に浸れたら…、そんなことを考えてしまうほど麻薬性を含んだ高い快感を感じられる。続く「tower」では真田徹(Gt)の歪みを効かせたギターが妖しさを孕みつつも、芳醇な色気で魅せていく。黒田が歌いあげるリリックは甘さとエロスを持ち合わせ、村山努(Ba)のリズムはその世界観を助長するように濃度を上げていく。
 ライブ後半、昨年末リリースしたデビューアルバム『Authentic』にも収録されている「2way traffic」「authentic」を続けて披露。楽曲毎に表情を変えてみせ、その都度々々にフロアをしっかりと沸かす彼ら。ジャンルレスなサウンドが持ち味とはいえ、バンドの引き出しの多さに改めて驚かされる。そして、「大事な曲をやって帰ります」とラスト曲「Blue」へ。波打つようなギターのメロ、ぐっと深みを増すリズムがある瞬間に一気に高みへと昇っていく。その上昇へより拍車をかける彦坂玄(Dr)のリズムがまた堪らなく心地よい。言い得ぬ開放感に満ち溢れたまま、全8曲のステージが終了。短い時間ながらも、1番手から力強い印象を残してくれた。

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 続いて登場したのは、大阪出身のシンガーソングライター・KYOtaroのニュープロジェクトとして始動したSIRUPだ。この日はバンドVer.でのステージとなり、イントロからグルーヴィーなサウンドでフロアを揺らし、1曲目「Synapse」へと流れていく。抜群のリズム感から生まれるリリック、リラックスさせつつも気分を高揚させる歌声につられ、早くも観客は音に合わせて大きく体を揺らしていく。インフォーマルなトラック、ライブハウスのフロアで聴くのももちろん心地よいのだが、長雨の夜や静かなカフェとバリエ別にロケーションを選んで聴き比べたくなってしまう。
 「ハッピーバレンタイン!踊っていきましょう」と、3曲目「Last Lover」へ。濃度の高い甘さはありつつも、するりと耳に馴染んでいくリズムに乗せられフロアは徐々に熱を上げていく。続く「Really Love Me」では大人の匂いを漂わせながら、より厚みを増したリズムが楽曲の世界観をより緻密なものに仕立てていく。
 ライブは早くも中盤へ。5曲目「一瞬」、メロウな音の展開に太く柔らかな歌声が合わさり、表現力豊かなサックスの音色がより音の密度を高めていく。彼の音のルーツがソウル、HIPHOP、R&Bなどブラック音楽をベースにしていることはもちろんだが、“SIRUP”名義になったことで、よりグルーヴィーで“酔える”音楽が増し、シンガーとしての振り幅が広がったように感じる。さらに、「今日みたいな日がいっぱい続いたら良いよね。楽しい1日を何回も繰り返したいという意味を込めて作った曲です。」と「LOOP」へ。愛おしさの中に切なさを匂わせる歌声に酔いしれるオーディエンスたちの表情はなんとも穏やかだ。
 「スイートで、ちょっと危険な曲で傷つけてもいいですか?」と「バンドエイド」へ。思わず鼓動が激しくなるスリリングなリリック、より迫力を増したサウンド、これまでとは違う彼の表情に魅せられフロアの空気がガラリと変わっていく。さきほどまで地元関西でのライブということもあり、和やかなトークを展開していたとは思えない、大人の表情を感じさせるステージングに思わずハッとさせられる。そしてラスト「LMN」、多彩な変化で楽しませる楽曲は最後まで居心地がよく、全9曲を以て“SIRUP”の世界観にしっかりと浸らせてくれた。

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 イベントはいよいよ最後、Neighbors Complainのステージへ。関西R&Bシーンにおいてその名はすでに周知の存在ということもあり、メンバーの登場から会場は大いに沸き立っている。「JANUS、行くぞ!!」と1曲目「NBCP」へ。すでに同会場でワンマンライブも経験している彼ら、会場の空気を扇動するのはすでに手慣れたもののよう。Kash(Ba)の打ち出すリズムは前へ前へと迫り出すようで、初っ端からその迫力に圧倒される。アシッドジャズ、ソウル、ファンクなどあらゆるジャンルを取り入れた彼らのサウンドは、卓越した音楽センスを以てして構成され、そのどれもが一度聴くだけであっという間に耳に馴染んでしまう。続く「Gotcha Feelin’」、ど真ん中を突いてくるファンクサウンドはタイトなリズム、Oto(Vo&Key)の色香漂うボーカルと、それに絡むいちいちエロいコーラスがたまらなくかっこいい!
 「ひとつになって帰りましょう! 踊るぞ!!」とフロアを煽り、「Makes You Move」へ。雄々しさを感じさせながらも、そのメロの芳醇さに、ただ踊るだけでなく芯からしっかりと温められていく。4曲目「Kiss‘N’You」はねっとりと濃厚なラブソング。Otoの歌声に魅了されつつ、Gotti(Gt)が爪弾くクオリティの高いメロにも注目が集まる。オーディエンスとのコール&レスポンスもばっちりで、続く「Got It Goin’ On」でもTaka(Dr)のご機嫌なリズムに揺られ、会場のテンションは上昇を止むことがない。
 昨年7月にアルバム『NBCP』をリリースした彼らだが、すでに今年に入って新たな楽曲制作を行っていることを告白。バレンタインのプレゼントとして、一足早く新曲「Aurora」を披露。それぞれの個性をしっかりと打ち出しつつ、心踊らせる楽曲はバンドの今年の活躍にさらなる期待が募る。ステージはその後も何度もピークを迎え、ラスト「Night Drivin’」へ。CMタイアップとしても注目を集めた楽曲ということもあり、フロアからは大きな歓声が沸き立つ。最後までダイナミックなステージングは続き、余韻をしっかりと残したまま本編は終了。その後、アンコールではバラード曲「There For You」を披露。表現力豊かな歌声と柔らかくも厚みのあるバンドサウンドに、オーディエンスは恍惚の表情を見せている。

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 そしてイベント最後にはサプライズのバレンタインプレゼントが! ゲストボーカルとしてRAMMELLSから黒田秋子、SIRUPが登場し、Grover Washington Jr.の「Just The Two Of Us」を共に歌いあげ、極上の夜は幕を閉じた。

 この日、「LIVING ROOM」で流れた3組の音楽が2018年にどんな動きを見せるのか。極上の音の余韻に浸りながら、これからの彼らの活躍に期待したい。

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