【ゾフィー】インタビュー[2023/01/10]
――今回は10回目の単独ライブを記念して初の全国ツアーということで、これまでのゾフィーさんのコントの傑作選だそうですね。ネタは何本、予定していますか?
上田:10本ぐらいで考えてます。舞台でもそんなにやらなくなったし、YouTubeにも載せていないけど、「面白かったけど、もうやれる場所がなくなっちゃったな」と思うネタもしたいなと思っています。
――やれる場所がないというのは?
上田:まあ、そうですね…不謹慎だから、うん。不謹慎だとは思わないんですけどね。
サイトウ:不謹慎になってしまうというね。
――正直に言いますと、不謹慎って面白いですよね。笑ってはいけないと言われたらなおさらで。
サイトウ:面白いですよね。
上田:いい息抜きになることもあるじゃないですか。絶対にふざけちゃいけない状況で起きてしまったことって、笑っちゃうんですよね。
――しかし、今の時代、何を笑おうか、何を取り上げようかとなりませんか?
上田:そうなんですよね。そうやって追求したら、全部不謹慎じゃんって思うんですよね。
――捉え方というのは難しいですね。笑ったらだめだけど、つい笑ってしまったというご経験はありますか?
サイトウ:あるけど言えないですよね、不謹慎過ぎて(笑)。
――確かにそうですね…。愚問でした。
上田:何かなぁ…。友達のコンビから「解散する」という相談をラーメン屋でされていて。2人とも泣いてて。僕も「本当に解散しちゃうのかなぁ」と思ってたら、奥でおじいちゃんが激辛ラーメン食ってて、何回もブホォッッつって吹き出してて。やっぱそっちに目が行きますよねぇ(笑)。いやもう、食えてねえよ!って思ったりして。
サイトウ:なぜ頼んだんだよ!って(笑)。
上田:そうそうそう。目の前で2人は号泣してるし。でもこっちは完全におじいちゃんに行っちゃってるから…。しょうがないですよね、そういうのって(笑)。
――時代によって笑うものが変わってくるとなると、ツアーでの傑作選10本は、ネタの変遷も垣間見ることができそうですね。
上田:そうですね。割と最初の頃に作ったものから、最近作ったものまで、時系列に並べていこうかなと思っていて。だから最後に近づくほどマイルドになるかもわからないです。
――ここ数年はコロナ禍もありましたが、どうお過ごしでしたか。
上田:そうですね、1回、単独ライブが中止になっちゃってからは、もうガンガンやろうって感じで。むしろ事務所に止められるっていうか。ちょっとやり過ぎだと。
サイトウ:ハイペースでやり過ぎちゃって、「ちょっと落ち着きなさい」って。
上田:本当は今年の年末に別の新ネタライブも考えてて。
サイトウ:年明けからこの全国ツアーが入ってるのに、12月にやろうとして。今年のですよ。それでマネージャーが「落ち着け」って。そのあと、チームマネージャーと会議になって、最後に一番偉いマネージャーが「なんとかひとつ、これで我慢してもらえないか」と上田に頭を下げるという(笑)。
上田:やりたくなっちゃうんですよね~。ポテトチップスを食べる感覚ですね、本当に。何も苦じゃないんですよ、僕は。考えるのが好きだから。だから「頑張ってますね」っていう感覚でもなくて、ポテチいっぱい食べちゃってるって感じで。
サイトウ:いや、そのたとえ、いつもピンと来ないんだよ。
――単独ライブでは、ネタ台本はどの時期に渡すんですか?
サイトウ:結構ギリだよね(笑)。
上田:直前ですね。単独ライブの2週間ぐらい前とか。
サイトウ:2週間前は早い方だよね。
上田:確かに。1週間前もあったし、2、3本足らなくて3日前に仕上げた時もあったよね。
サイトウ:うん。
――サイトウさんは覚えるのが大変ですね。
上田 けど、セリフの割合が7:3なんですよ。僕だって配慮してますよ(笑)。その分、私がしゃべりますから。
サイトウ:前日にできたやつで、僕一言しかしゃべらないネタもありました。
上田:本当にもうありがとうございます。いるだけで大丈夫だから、そこだけしゃべってくださいって。
――サイトウさんはコントを演じられる際、どういうことを意識していますか?
サイトウ:基本、上田がボケというか、僕が振り役なので、お笑いを欲しがらず、ただそれをやる。
――ネタのなかで芸人としての個性を出したいと思うことはないですか?
サイトウ:俺、コント中は一個も思わないです。「この役でドラマ来ないかな」とか思いますけど(笑)、芸人としておいしくなんねえかなとかはあんまり思わないですね。
――なるほど、ほかにもなるべく負担がないようにとか、そういう配慮やお気遣いもされていますか。
サイトウ:僕はもうめっちゃしてますよ。楽屋の弁当を絶対先に選ばせるとか。
上田 でもね、結局、味の好みが全然違うんで(笑)。僕はバキバキした飯を食いたいんですよ。ハンバーグミックス弁当みたいな、バカが食いそうな弁当(笑)。ああいうのが落ち着いちゃって。
――性格とか、好みとかも、いい意味で重なるところがないですか?
上田・サイトウ:ないね~。
上田:こうして取材して、話しさせてもらって気づくんですけど、両方、頭がおかしいんだと思うんですよね、本当に。
サイトウ:常識人がいないんですよ。
上田:僕がネタの細かいところにこだわって、ずっと同じところを詰めてやってたりするんですよ。同じセリフを「こうしたい、こうしたい」って。これは良くするために当然だと思ってやっているけど、他の人には「この部分、めっちゃやらないですか?」って言われるんですよね。まあ、いつもサイトウさんがちょっと我慢してくれてるところもあるんですけど、でも、どっちかっていうとちょっと外れてるんですよね。
サイトウ:いやいやいや、違うよ(笑)。そこは違うでしょ。なんでこんなにやるんだろうと思ってるよ。思ってるけど、それは良くするためだと思ってるから。他の人は、そういう上田に付き合いきれないのかもしれない。上田さんはもう、くそストイックです。
上田:まあ、この人もいっぱいやらかしてるんですよね。だから、本当に2人とも頭がおかしい。
サイトウ:どういうコンビだよ。
上田:ツッコミというものがないんですよ、俺たちの間には。だらしないことがあって俺がサイトウに注意しますけど、本来、僕も常識がないから、ギリそういう面が出ていないだけで。特にネタとかに関しては常識がないから、もう1人、誰かがツッコまなきゃいけない瞬間もありますね。
サイトウ:確かにね。
上田:さっきの単独ライブの話になりますが、僕は単独を年3回やって、その間に新ネタライブも2本やろうと。いっぱいやった方がいいんだからって思うけど、第三者が「やり過ぎです」って止めに入るという。
――産みの苦しみを味わっていると、うらやましいようにも思いますね。
サイトウ:本当、そうですよね。他人事みたいに言ってますけど(笑)、まあ、他人事なんですよ。俺、(ネタ作りは)一個も手伝わないですから。手伝わないことによってすげえ気を遣うとかあるじゃないですか。そこをもう取っ払ったんですよ。感謝してますけど、ネタを作ってもらっていることに関しては引け目に感じないようにして。引け目に感じることって、ネタを作ってない側に多いんですよ。だから他で何とかカバー……できてないけど。
上田:ポテチ食ってるだけだから、こっちからしたら。「サイトウはネタも作らないでよぉ~!」とか言ってるけど、本心は1人で食べたい。完全に1人で楽しみたい。
サイトウ:だから、ウィンウィンです。でも、たま~に「ギャラ多くよこせ」って言うんすよ。
上田:それはそうですよね。その分、働いているわけだから。あれ? この3日間、ずっとネタ書いてるけど、このライブのギャラ、半分丸ごと持ってく? 不届き千万だな!って。
サイトウ:お前、ポテチ食ってるっつったじゃないか。
――そういうこともありながら、コンビ関係も成立させて。
サイトウ:たまに徹底的にケンカするときもありますよ。
上田:去年、ばーっと言ったことがあって。逆にそれで吹っ切れちゃったというか、言いたいことを言ったので。
サイトウ:結果、上田が俺に対して諦めたっていうところもあります。俺を変えようとしたらしいです。
上田:強いんですよ。とてつもなく強い。
――ストイックな上田さんが諦めたと。めちゃくちゃ強いですね。
上田:すごいっすよ、本当に。史上最強の男、現る(笑)。だらしない人っているじゃないですか。そういう人にいろいろ言って、多少なりとも変わったりしたんですけど、この人はもう、何が何でも「私はこれです」って。なんだろうな、頑固じゃないんですよ、別に。話も聞くし、「こうした方がいいよ」って言ったことは聞くけど、スライムみたいなんですよね。叩いても叩いても存在が消えないというか。細かく潰してバラバラにしても、まだ生きてるみたいな。
サイトウ:で、またもとに戻る。
上田:また戻る。もう、とんでもない。戦う相手が違った!って思うぐらい最強ですよ。サイトウさんは自分の人生にも強い。サイトウさんが普通の人間だったら、もう死んでるかもしれない。スライムがゆえに生きて来れてます。だってね、居酒屋も経営していて、それがうまくいかなくて、借金が4500万ぐらいある。普通の人間だったらもう「お笑いを続けることはできない」ってなりますよ。
サイトウ:なんでだよ。
上田:なんでだよって言いますからね。普通だったらもっと落ち込んでますよ。
サイトウ:そうなんかな。別に大丈夫。
上田:僕はそういうことに対して、気合で「乗り越えるぞ!」ってやるタイプですけど、この人はスライムだから何にも思わない。
――形が自由に変えられるだけに、気が付いたら困難も乗り越えているという感じですね。
サイトウ:乗り越えていると思います。
上田:だからいくら叩いてもいいと。
サイトウ:いや、叩くのは違うよ。そういうことじゃない。だからもう諦めろよ。
――では最後に、告知らしいことを…。大阪での単独ライブは過去にもありますか?
上田:1回もないです。イベントやネタをやらせてもらうことはありますが、単独ライブは1回もやったことなくて。だから、すごい楽しみです。ここ最近、何回か大阪でやらせてもらって、昔、作ったちょっとエッジの効いたようなネタをやったら、結構、受け入れてくれた感じがあって。意外と僕らのスタイルに合ってるのかなって。お客さんも皮肉に対して寛容な気がします。いや、でも、いざやってみたら引かれる可能性もあるかも(笑)。
サイトウ:多過ぎてお腹いっぱいになるかもしれません(笑)。
上田:イギリスの人が「上田が好きそうなジョークがある」と。聞いたら「最近、近所に消防署ができたんだけど、火事で全焼したんだよ」って。確かにそれは好きだなと思って。町の安全を守らなきゃいけないところが一番手薄になっているみたいな。これを日本でやったら、「いやいや、火事をいじるな」みたいなことになるじゃないですか。でも、俺の感覚で言うと、大阪の人はそれを受け入れてくれるんじゃないかって。コンプラ寛容都市・大阪(笑)。
サイトウ:本当、寛容だと思います(笑)。楽しみですね。
上田:10本ぐらいで考えてます。舞台でもそんなにやらなくなったし、YouTubeにも載せていないけど、「面白かったけど、もうやれる場所がなくなっちゃったな」と思うネタもしたいなと思っています。
――やれる場所がないというのは?
上田:まあ、そうですね…不謹慎だから、うん。不謹慎だとは思わないんですけどね。
サイトウ:不謹慎になってしまうというね。
――正直に言いますと、不謹慎って面白いですよね。笑ってはいけないと言われたらなおさらで。
サイトウ:面白いですよね。
上田:いい息抜きになることもあるじゃないですか。絶対にふざけちゃいけない状況で起きてしまったことって、笑っちゃうんですよね。
――しかし、今の時代、何を笑おうか、何を取り上げようかとなりませんか?
上田:そうなんですよね。そうやって追求したら、全部不謹慎じゃんって思うんですよね。
――捉え方というのは難しいですね。笑ったらだめだけど、つい笑ってしまったというご経験はありますか?
サイトウ:あるけど言えないですよね、不謹慎過ぎて(笑)。
――確かにそうですね…。愚問でした。
上田:何かなぁ…。友達のコンビから「解散する」という相談をラーメン屋でされていて。2人とも泣いてて。僕も「本当に解散しちゃうのかなぁ」と思ってたら、奥でおじいちゃんが激辛ラーメン食ってて、何回もブホォッッつって吹き出してて。やっぱそっちに目が行きますよねぇ(笑)。いやもう、食えてねえよ!って思ったりして。
サイトウ:なぜ頼んだんだよ!って(笑)。
上田:そうそうそう。目の前で2人は号泣してるし。でもこっちは完全におじいちゃんに行っちゃってるから…。しょうがないですよね、そういうのって(笑)。
――時代によって笑うものが変わってくるとなると、ツアーでの傑作選10本は、ネタの変遷も垣間見ることができそうですね。
上田:そうですね。割と最初の頃に作ったものから、最近作ったものまで、時系列に並べていこうかなと思っていて。だから最後に近づくほどマイルドになるかもわからないです。
――ここ数年はコロナ禍もありましたが、どうお過ごしでしたか。
上田:そうですね、1回、単独ライブが中止になっちゃってからは、もうガンガンやろうって感じで。むしろ事務所に止められるっていうか。ちょっとやり過ぎだと。
サイトウ:ハイペースでやり過ぎちゃって、「ちょっと落ち着きなさい」って。
上田:本当は今年の年末に別の新ネタライブも考えてて。
サイトウ:年明けからこの全国ツアーが入ってるのに、12月にやろうとして。今年のですよ。それでマネージャーが「落ち着け」って。そのあと、チームマネージャーと会議になって、最後に一番偉いマネージャーが「なんとかひとつ、これで我慢してもらえないか」と上田に頭を下げるという(笑)。
上田:やりたくなっちゃうんですよね~。ポテトチップスを食べる感覚ですね、本当に。何も苦じゃないんですよ、僕は。考えるのが好きだから。だから「頑張ってますね」っていう感覚でもなくて、ポテチいっぱい食べちゃってるって感じで。
サイトウ:いや、そのたとえ、いつもピンと来ないんだよ。
――単独ライブでは、ネタ台本はどの時期に渡すんですか?
サイトウ:結構ギリだよね(笑)。
上田:直前ですね。単独ライブの2週間ぐらい前とか。
サイトウ:2週間前は早い方だよね。
上田:確かに。1週間前もあったし、2、3本足らなくて3日前に仕上げた時もあったよね。
サイトウ:うん。
――サイトウさんは覚えるのが大変ですね。
上田 けど、セリフの割合が7:3なんですよ。僕だって配慮してますよ(笑)。その分、私がしゃべりますから。
サイトウ:前日にできたやつで、僕一言しかしゃべらないネタもありました。
上田:本当にもうありがとうございます。いるだけで大丈夫だから、そこだけしゃべってくださいって。
――サイトウさんはコントを演じられる際、どういうことを意識していますか?
サイトウ:基本、上田がボケというか、僕が振り役なので、お笑いを欲しがらず、ただそれをやる。
――ネタのなかで芸人としての個性を出したいと思うことはないですか?
サイトウ:俺、コント中は一個も思わないです。「この役でドラマ来ないかな」とか思いますけど(笑)、芸人としておいしくなんねえかなとかはあんまり思わないですね。
――なるほど、ほかにもなるべく負担がないようにとか、そういう配慮やお気遣いもされていますか。
サイトウ:僕はもうめっちゃしてますよ。楽屋の弁当を絶対先に選ばせるとか。
上田 でもね、結局、味の好みが全然違うんで(笑)。僕はバキバキした飯を食いたいんですよ。ハンバーグミックス弁当みたいな、バカが食いそうな弁当(笑)。ああいうのが落ち着いちゃって。
――性格とか、好みとかも、いい意味で重なるところがないですか?
上田・サイトウ:ないね~。
上田:こうして取材して、話しさせてもらって気づくんですけど、両方、頭がおかしいんだと思うんですよね、本当に。
サイトウ:常識人がいないんですよ。
上田:僕がネタの細かいところにこだわって、ずっと同じところを詰めてやってたりするんですよ。同じセリフを「こうしたい、こうしたい」って。これは良くするために当然だと思ってやっているけど、他の人には「この部分、めっちゃやらないですか?」って言われるんですよね。まあ、いつもサイトウさんがちょっと我慢してくれてるところもあるんですけど、でも、どっちかっていうとちょっと外れてるんですよね。
サイトウ:いやいやいや、違うよ(笑)。そこは違うでしょ。なんでこんなにやるんだろうと思ってるよ。思ってるけど、それは良くするためだと思ってるから。他の人は、そういう上田に付き合いきれないのかもしれない。上田さんはもう、くそストイックです。
上田:まあ、この人もいっぱいやらかしてるんですよね。だから、本当に2人とも頭がおかしい。
サイトウ:どういうコンビだよ。
上田:ツッコミというものがないんですよ、俺たちの間には。だらしないことがあって俺がサイトウに注意しますけど、本来、僕も常識がないから、ギリそういう面が出ていないだけで。特にネタとかに関しては常識がないから、もう1人、誰かがツッコまなきゃいけない瞬間もありますね。
サイトウ:確かにね。
上田:さっきの単独ライブの話になりますが、僕は単独を年3回やって、その間に新ネタライブも2本やろうと。いっぱいやった方がいいんだからって思うけど、第三者が「やり過ぎです」って止めに入るという。
――産みの苦しみを味わっていると、うらやましいようにも思いますね。
サイトウ:本当、そうですよね。他人事みたいに言ってますけど(笑)、まあ、他人事なんですよ。俺、(ネタ作りは)一個も手伝わないですから。手伝わないことによってすげえ気を遣うとかあるじゃないですか。そこをもう取っ払ったんですよ。感謝してますけど、ネタを作ってもらっていることに関しては引け目に感じないようにして。引け目に感じることって、ネタを作ってない側に多いんですよ。だから他で何とかカバー……できてないけど。
上田:ポテチ食ってるだけだから、こっちからしたら。「サイトウはネタも作らないでよぉ~!」とか言ってるけど、本心は1人で食べたい。完全に1人で楽しみたい。
サイトウ:だから、ウィンウィンです。でも、たま~に「ギャラ多くよこせ」って言うんすよ。
上田:それはそうですよね。その分、働いているわけだから。あれ? この3日間、ずっとネタ書いてるけど、このライブのギャラ、半分丸ごと持ってく? 不届き千万だな!って。
サイトウ:お前、ポテチ食ってるっつったじゃないか。
――そういうこともありながら、コンビ関係も成立させて。
サイトウ:たまに徹底的にケンカするときもありますよ。
上田:去年、ばーっと言ったことがあって。逆にそれで吹っ切れちゃったというか、言いたいことを言ったので。
サイトウ:結果、上田が俺に対して諦めたっていうところもあります。俺を変えようとしたらしいです。
上田:強いんですよ。とてつもなく強い。
――ストイックな上田さんが諦めたと。めちゃくちゃ強いですね。
上田:すごいっすよ、本当に。史上最強の男、現る(笑)。だらしない人っているじゃないですか。そういう人にいろいろ言って、多少なりとも変わったりしたんですけど、この人はもう、何が何でも「私はこれです」って。なんだろうな、頑固じゃないんですよ、別に。話も聞くし、「こうした方がいいよ」って言ったことは聞くけど、スライムみたいなんですよね。叩いても叩いても存在が消えないというか。細かく潰してバラバラにしても、まだ生きてるみたいな。
サイトウ:で、またもとに戻る。
上田:また戻る。もう、とんでもない。戦う相手が違った!って思うぐらい最強ですよ。サイトウさんは自分の人生にも強い。サイトウさんが普通の人間だったら、もう死んでるかもしれない。スライムがゆえに生きて来れてます。だってね、居酒屋も経営していて、それがうまくいかなくて、借金が4500万ぐらいある。普通の人間だったらもう「お笑いを続けることはできない」ってなりますよ。
サイトウ:なんでだよ。
上田:なんでだよって言いますからね。普通だったらもっと落ち込んでますよ。
サイトウ:そうなんかな。別に大丈夫。
上田:僕はそういうことに対して、気合で「乗り越えるぞ!」ってやるタイプですけど、この人はスライムだから何にも思わない。
――形が自由に変えられるだけに、気が付いたら困難も乗り越えているという感じですね。
サイトウ:乗り越えていると思います。
上田:だからいくら叩いてもいいと。
サイトウ:いや、叩くのは違うよ。そういうことじゃない。だからもう諦めろよ。
――では最後に、告知らしいことを…。大阪での単独ライブは過去にもありますか?
上田:1回もないです。イベントやネタをやらせてもらうことはありますが、単独ライブは1回もやったことなくて。だから、すごい楽しみです。ここ最近、何回か大阪でやらせてもらって、昔、作ったちょっとエッジの効いたようなネタをやったら、結構、受け入れてくれた感じがあって。意外と僕らのスタイルに合ってるのかなって。お客さんも皮肉に対して寛容な気がします。いや、でも、いざやってみたら引かれる可能性もあるかも(笑)。
サイトウ:多過ぎてお腹いっぱいになるかもしれません(笑)。
上田:イギリスの人が「上田が好きそうなジョークがある」と。聞いたら「最近、近所に消防署ができたんだけど、火事で全焼したんだよ」って。確かにそれは好きだなと思って。町の安全を守らなきゃいけないところが一番手薄になっているみたいな。これを日本でやったら、「いやいや、火事をいじるな」みたいなことになるじゃないですか。でも、俺の感覚で言うと、大阪の人はそれを受け入れてくれるんじゃないかって。コンプラ寛容都市・大阪(笑)。
サイトウ:本当、寛容だと思います(笑)。楽しみですね。