【ライブレポート】ポルノ超特急2022(DAY1)[2023/02/01]
12月17、18日、ROTTENGRAFFTY(以下、ロットン)が主催する「ポルノ超特急2022」(以下、ポル超)が京都・京都パルスプラザで開催された。毎年冬の恒例イベントだが、今年は例年通りの金閣・銀閣、2つのステージでのライブが復活。コロナ禍の影響で声出し、モッシュやダイブを禁止するなど制限はありつつも、“響都”で鳴り響く音楽が少しずつ明るい未来へと進みだしていることを実感できたステージの数々がそこにはあった。
開演前にはいつものように、ロットンメンバーが“出発進行”の開始を宣言。集まった観客へ感謝の気持ちを伝えつつ、「規制はまだまだあるけれど、戦いながら守り抜こう!」と、イベントはもちろん、ライブや音楽に懸ける熱情を言葉にする4人。その想いをトップバッターで見事に繋いでくれたのが四星球だ。北島康雄がKAZUOMIコス(この日のためだけに金髪に!)で登場したかと思えば、「初っ端から輝き狂え!」とロットンへの愛がみちみちに詰まったパフォーマンスを連発! 文字通り体を張った新曲「乳首オブデス」など、観客をたっぷりと笑わせ、身体も心もしっかりと温めていく。
四星球
SHANK
出演キャンセルとなったG-FREAK FACTORYの代わりに、長崎から駆け付けてくれたのがSHANKだ。ポル超常連バンドだけあって、急遽のステージでも観客の心をつかむスピードの早さはさすが♪ 「(G-FREAK FACTORYの)代わりになれたとは思わないけど、頼ってもらえて光栄です」と謙遜しつつ、「Wake Up Call」などご機嫌なショートナンバーを次々と打ち放し、がっつりと爪痕を残していく。
dustbox
dustboxは「思いっきりいこうぜ!」と、トップギアを入れると怒涛のスピードで楽曲を展開。「Try My Luck」など喜怒哀楽がぎゅぎゅっと詰まった、刺激的かつハッピーなサウンドで会場を沸かす。ロットンや10-FEETら仲良しバンドメンバーが次々に乱入してはステージで悪巧みしたり、イベントを全力で楽しむ出演者を観ていると、観客ももっと楽しまなきゃと気持ちが高まり、相互作用で会場の熱量は上昇が止まらない。
キュウソネコカミ
2014年から皆勤賞でポル超に出演しているキュウソネコカミは「この一瞬々々に感謝の気持ちをこめて!」と、全力で“今”のバンドの音で魅せていく。「The band」では、ライブを、バンドを続けていけることの素晴らしさを音に込めて、真正面からロックバンドの真たる姿で楽しませてくれた。
銀閣ステージではKUZIRA、バックドロップシンデレラ、Hakubi、裸繪札、SPARK!!SOUND!!SHOW!!がライブハウスさながらのステージで会場を盛り上げていく。なかでもAge Factoryは観客の心に共鳴する音を鳴らし、Dizzy Sunfistは強気の姿勢を貫いたフルパワーなパフォーマンスで観客の心を鷲掴みに。
Age Factory
Dizzy Sunfist
ヤバイTシャツ屋さんはポップ&キャッチーな“らしさ”全開、ポジティブパワーに溢れたステージで観客を笑顔満開にさせる。「無線LANばり便利」などキラーチューン連投のなか、「D.A.N.C.E.」をカバーし、バンドのアレンジ力の高さもしっかりとアピール。
MAN WITH A MISSIONは「(ポル超は)年末の〆! 鬱憤は置いていって。全部受け止めるから」と「INTO THE DEEP」など、重厚感あるビートでフロアを圧倒!“狂犬”ぷりを音で魅せつつ、「来年は当たり前のように笑い合って、めいっぱい楽しもう!」と愛溢れる言葉で癒しを与えてくれた彼ら。「yoake」で見せた、高みへと進む音の開放感に観客はみな心奪われていた。
ヤバイTシャツ屋さん
MAN WITH A MISSION
「みんなで幸せになって帰りましょう」、10-FEETは盟友のステージを前に溢れる想いを音にぶつけていく。名曲「RIVER」では、ロットンに心救われ、刺激し合い、支えられてきたことや、長年の信頼おける特別な存在だと語るTAKUMA。観客はみなただまっすぐに、ひとつの言葉も音も漏らすまいと聴き入る姿がとても印象的だった。
10-FEET
トリを務めるのはもちろん、ROTTENGRAFFTY。N∀OKIが昂る気持ちを抑えきれずステージで大きく足を鳴らす。「ハレルヤ」ではNOBUYAが吠え、重圧感たっぷりのサウンドでフロアを揺さぶっていく。「とことんやろうぜ!」、その言葉はバンドにとって単なる煽り文句ではない。バンドにとって一年の締めくくりとなる大事なステージで、いかにバンドの集大成を見せつけることができるか。「音楽で頭が狂いたい」、覚悟を決めたパフォーマンスに、全力で応えるオーディエンスたち。新曲「秋桜」「ハロー、ハロー」ではバンドの新たな歩みを感じさせるなど、サポートギター・MASAHIKOを含む、現在進行形の“6人”でのバンドの姿を余すことなく見せつけ、初日のステージを見事に駆け抜けていった。
ROTTENGRAFFTY
文・黒田奈保子