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【ライブレポート】山羊とボク[2019/09/04]

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 8月22日(木)大阪・心斎橋JANUSにて、ライブイベント『山羊とボク』が開催された。SNSを起点に、若い世代から多大な支持を集めるアーティストが出演したこの日。髙橋颯、三阪咲、坂口有望、まるりとりゅうがの4組が、満員御礼ソールドアウトのJANUSを大いに沸かせた一夜をレポート!


●髙橋颯
  超満員のJANUSの抑えきれない熱気の中、まずステージに現れたのは今宵のトップバッターとなるシンガー、髙橋颯。潤いのある歌声をビートに乗せた「君に恋してたい」から、きらびやかな照明と共に暑さも忘れさせるような清涼感で会場を包み込んでいく。「すごい、お客さんがいっぱいいますね…」と本人もたじろぐほどの密度と期待感を前に、「今日は大阪の皆さんと最後まで盛り上がっていけたらと思います!」と告げ、自ずとオーディエンスの肩も揺れるミドルチューン「ムーンライト」、ピアノの調べに導かれる切ないバラード「Come Back~君以外愛せない~」と様々なベクトルの楽曲を披露しながらも、そのセットリストを貫く歌声の魅力でグッとフロアを引き込んでいく。

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 MCでは、「僕のライブには女性のファンの方が来てくれることが多くて、いつも僕の甘い恋心を受け取ってくれるんですけど、(男性客も多数いるフロアを見渡して)今日は僕の男心を受け取ってくれる人もたくさんいることが、とっても嬉しいんです」と想いを語り、来年1月より始まるミュージカル『デスノート THE MUSICAL』でエル役を演じることを告知をすると、会場からは大きなどよめきが起こる。そして、「今日はいいアーティストさんばかりなので、僕もしっかりとメッセージを届けていこうと思います」と、「この不条理な世界で」を切々と歌い上げる髙橋。

 その後も、セットリストとは異なるバックトラックが流れる予定外のハプニングがあったものの、「気を取り直すためにみんなで手拍子をするチャンスです!」と、ピンチをチャンスに変えたステージ度胸を見せた「Beautiful」、「本当に今日はありがとうございました! また皆さんと時間を共有できることを楽しみにしています」と放ったラストの「大切な君へ(MATZ REMIX)」まで、そのフレッシュな魅力で終始オーディエンスと対峙した髙橋颯のステージだった。

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●三阪咲
  神秘的なディープブルーの照明を浴びながら登場したのは、この日の最年少アクトとなる2003年生まれの驚異の16歳、三阪咲。「空海雨」から大盛り上がりのオープニングでオーディエンスをフックアップしたかと思えば、お次はかのエド・シーランの「Shape Of You」のカバーで聴かせる堂々のパフォーマンス。カラフルな照明に打たれながらのMCでは、「すごくたくさんの人がいますけど、暑くないですか? 私はなんと3ヵ月ぶりのライブです。皆さん来てくださってありがとうございます!」とまずはご挨拶。「夏休みの宿題は終わりました? 私はまだ漢字しか手を付けてないんですけど…(笑)」と、ティーンエイジャーならではの話題も飛び出しつつ、「次はギターを弾きながら歌いたいと思います」と、今度はブルーノ・マーズの「Talking To The Moon」を披露。洋楽カバーも難なく歌いこなす歌唱力はまだ現役高校生とは思えない圧倒的なポテンシャルで、その突き刺さるような歌声にオーディエンスもじっと聴き入る。

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 後半戦は、「ここからはまたオリジナル曲をやろうと思います。盛り上がる準備はできてますか?タオルをお持ちの方は一緒にクルクル回してください!」と、EDMのビートに乗せた「ヒラヒラ」、ライブ映えするアッパーなポップチューン「今だけは好きなものを好きでいたい」とフレッシュな魅力を振りまくパフォーマンスが続き、オーディエンスとのコール&レスポンスもバッチリ!そしてお客さんのボルテージは最高潮に!

 ラストは、「まだ未発表の新曲をやろうかなと思います。自分の好きな人を思い浮かべてもらって…“バイバイ”と言うのは寂しいから“おやすみ”って言わない?っていう曲を作りました」とタイトルも決まっていない新曲を披露。オーディエンスに入念にシンガロング指南をしながらも、初披露の楽曲にちょっぴり緊張した面持ちもキュートで、16歳の等身大と同時に次世代の歌姫・ポップアイコンの片鱗をまざまざと見せつけてくれた三阪咲だった。

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●坂口有望
  「はじめまして坂口有望です、手拍子いけますか?」なんて人懐っこい関西弁で促されたら、オーディエンスも手拍子せずにはいられない。1曲目の「musician」から、これまでのムードとは一転、アコースティックギターの弾き語りでその歌声を届けてくれたのはシンガーソングライターの坂口有望だ。「みんな“フーフー”言うてくれてるけど、私のこと見えてないよね?(笑) 普段はもっと高い厚底を履いてるんやけど、今日はぺったんこやから…」と、満員御礼のフロアからかろうじて姿が見える華奢な彼女が笑う。そして、「素敵なイベントに呼んでもらってありがとうございます。今日は楽屋のご飯がすごく豪華で(笑)。いいイベントになるようにいろんな人が動いてくれてるので、私もいいライブができるように頑張ります!」と、夕景のようなオレンジ色の照明に照らされながら、「おはなし」に込められたメッセージを丁寧に届けていく。

 続いても、「学生の皆さんはもう夏休みは終わりかけな感じですか? 宿題は今週やるみたいな感じ? 私はそんな感じでしたけど(笑)。夏っぽい新曲を7月に配信で出したんで、その曲をやらせてもらおうと思います」と披露した身も心も躍るような軽快な新曲「ワンピース」、独自の視野が光る名ポップソングにしてメジャーデビュー曲「好-じょし-」と、話せば親近感、歌えば幸福感なパフォーマンスでオーディエンスを魅了していく。

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 「この春、大阪から東京に出て…大阪は18年間育った大事な場所で、帰省を絡めてこうやって帰ってきたら友達といっぱいご飯を食べてしまって、東京に戻るときには3kgぐらい太って帰る、とかいう話ではなく(笑)。私は自分の高校が大好きで、あそこに行ってなかったら書けてなかった曲ばかりを集めたミニアルバム(=『放課後ジャーニー』)を3月に出したんですけど、その中から「いつか」を」

  高校生活のワンシーンを切り取ったまばゆくも切ないこの曲は、一生に一度しかないかけがえのない時間を音楽に閉じ込め、聴く者にその季節を何度でも思い起こさせるような素晴らしさ。「今日はホントに知ってる人ばっかりで、対バンっていいなって改めて思いましたね。…みんな今、拍手するところやで?(笑)」と、どこまでも愛らしい彼女が、ぬくもりのある歌声と確かなソングライティングで、最後の最後の「地球-まる-」に至るまでその才を存分に発揮したライブだった。

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●まるりとりゅうが
  ステージに登場するや大歓声で迎えられたのは、この日のトリとなる男女ユニット、まるりとりゅうがだ。しょっぱなの「君と見たい景色」から、男女ボーカルの旨味を存分に活かしたハーモニーにオーディエンスも大興奮。「こんな素敵なイベントに呼んでいただいて嬉しいです!」(MaRuRi)、「最後に皆さんが体力を使い果たすような曲をやろうと思ったけど、まるりとりゅうがは切ない曲しかございません、盛り上がるのは最初だけです(笑)」(Ryuga)とMCでも会場を沸かせ、メジャーデビュー曲の「気まぐれな時雨」ではメインボーカルが次々とスイッチし、時にかけ合い、時に重なり合いと、様々なスタイルで魅せていく。胸が締め付けられるような恋愛模様を描いたミドルチューン「幸せになって」で2人が向かい合いドラマチックに歌い上げる光景といい、まるりとりゅうががいかにラブソングに適したユニットであるかを痛感させられる。

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 そして、「まるりとりゅうがは失恋ソングが多いんで、ウエディングソングをリクエストされても歌える曲がなくて、僕たちもずっと作りたかったんですけど…」(Ryuga)、「9月に出るミニアルバム(=『お見知りおきを』)に入ってるその曲を聴いてください」(MaRuRi)と披露したのは、「はじまりの唄」。未来まで続く男女の姿を描いたこの曲はまさに結婚式にも打ってつけの内容で、まるりとりゅうがの新境地とも言えるだろう。

 MC中にざわつくフロアを、「聞いてる? 次は悲しい曲だからね!?」(Ryuga)と巧みにあしらい(笑)、ラストは「僕たちにとっても勝負の曲」(Ryuga)と語る「わけじゃない」。MCでも散々沸かせておきながら、いざ歌えば一気に楽曲の世界観に引き込む歌力で、「こういうすごく素敵なイベントに、また遊びに来てくださいね!」と、満員御礼の『山羊とボク』を見事に締めくくった、まるりとりゅうがだった。

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Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by Ohana

 
LIVE INFORMATION
坂口有望 2019/10/06(日) 17:30 京都・紫明会館 詳細・ご購入はこちら
坂口有望 2019/11/03(祝) 17:30 阿倍野区民センター 大ホール 詳細・ご購入はこちら
メッチャドスエダモンデ〜2020 新春〜 2020/01/19(日) 17:00 梅田Shangri-La 詳細・ご購入はこちら
まるりとりゅうが 2019/11/12(火) 19:00 Zepp Osaka Bayside 詳細・ご購入はこちら