Information

一覧に戻る

【ライブレポート】ラックライフ 2020/2/5 @心斎橋BIGCAT[2020/03/01]

この公演をはてなブックマークに追加 友達に教える

_

2月5日、大阪・心斎橋BIG CATにてラックライフのワンマンライブ「ラックライフ TOUR 2020『Raise The Flag』」が開催された。昨年リリースしたミニアルバム『Unbreakable』を携え全国ツアー中の彼ら。ツアー中盤、そして地元大阪での公演とあってメンバーの緊張感もほどよく、会場はアットホームな雰囲気は残しつつも新曲への期待で熱量高いステージが繰り広げられた。

いつものようにステージ中央で気合を入れると、「大阪、やろうぜ~♪」とPON(Vo&Gt)が満面の笑みで観客へ声をかけ、「サーチライト」から“ライブハウスの楽しさ”を伝えるべく、観客の緊張をほぐすようにがむしゃらに音を鳴らしていく4人。「楽しんだもん勝ちやぞ!」のPONの言葉の通り、シンプルなロックナンバーの「Don’t you say」やLOVE大石(Dr)の軽快なビートが観客の体を揺さぶる「初めの一歩」など、彼らの持ち味であるポップなメロを効かせたサウンドで会場は早くも良い感じの熱量を上げていく。「音楽であなたの世界を変えにきました!」、PONは曲間に何度も音楽に懸ける思いや誓いを叫んでいたが、その言葉が投げかけられるたびメンバー4人の力が増していくように感じて、ライブの楽しさはもちろん、言葉の持つ力の大きさにも心惹かれてしまう。

_

ラックライフは昨年、新しい所属事務所へと移籍し、同年12月18日にミニアルバム『Unbreakable』をリリースしている。事務所移籍はバンドにとって音楽を続けるか否かを考えるほど大きな決断だったらしく、アルバムはこれからの活動に向けての決意と勇気を込めた作品になったこと。そして今回のツアーがバンドにとって再出発の意味を持つ、“ここにいるよ”と声を大にして旗を掲げるためツアータイトルを『Raise The Flag』と銘打ったと、改めて思いを語る。そして「心に刺さって抜けないライブをしにきた!」と、「リフレイン」へ。言葉を声にして叫ぶたびに力を増す、彼らのバンド力の強さをまじまじと感じるステージに、観客はみな拳をかかげて応えていく。ikoma(Gt&Cho)のスリリングかつ漢気あふれるギターサウンドも、たく(Ba)の観客の体を大いに揺さぶるご機嫌なリズムもPONの力強い歌声を後押しし、思いをこめた詞世界により大きな浸透力を生み出していく。

_

MCではホームということもあって、和やかな雰囲気で観客らと言葉を交わしていく。メンバーのくったくのない笑顔とトーク、“近所のお兄ちゃん”的な空気は相変わらずで観客の表情も徐々に柔らかくなっていくし、この日は謎の“タケノコ”ポーズ(頭の上で合掌した手を上下させ、ニョキニョキと動かす)がメンバーのツボにハマり、いつも以上にゆる~いトークタイムが続いていく。もちろん遊びは程々に、最後は締めるところはしっかり締めて「自分たちは変わらず、(バンドが)変わっていく姿を見せていきたい。ライブで色んな気持ちを生んで、ポカポカした気持ちで帰ってほしい」と、「けんけんぱ」「変わらない空」と上昇感の強いバンドサウンドでフロアを揺らしていく。高揚感を高めたところへ「一緒にいこう!」と「風が吹く街」へ。PONがオーディエンスに言葉をかけ、その言葉通りに誰ひとり置いていかない、ともに高みへと昇るようなライブで観客に思いを伝える4人。

_

PONはライブ中に何度も何度も思いを語る。憧れのライブハウスでのワンマンライブ、そして先述の事務所移籍や新譜に込めた思いなど、何度も何度も思いを言葉に吐き出し、「音楽を何のためにやるのか。ファンの人生を照らすための音楽、その音楽を辞めるかを何度も悩んで…。ライブハウスで見た景色を何度も思い出して。もう一度この景色を見るために続けていきたい!環境が変わっても、心に傷ができても…。ボロボロでも旗を掲げて歌いたい。今日のため、ライブのため、ステージのために強くなりたい」と、新曲「理想像」を披露。理想の音楽、バンド、ライブ…それがどんな姿かはアーティストにとって様々で、きっと理想の姿に到達したと言い切れるアーティストは多くはないはず。ラックライフもそうで、いくつもの歌を生み出し、いくつものライブを重ねてその理想像をみつけていくはず。順風満帆な道からはライブバンドの強さは生まれないはず。それを知っている彼らだからこそ、試行錯誤の道を選び、そこから見える景色を歌にしていく。そして、その歌に込められた言葉はまっすぐで、聴く者の心をぐっと掴んで離さない。「理想像」のライブ中、観客はただただ静かに歌に聴き入っていた。ステージの後方から客席を照らす煌々とした光も印象的で、観客の表情が明るく照らされたその景色を観られるのはメンバー4人だけのもの。その瞬間の景色はきっと最高だったんだろう、曲の最後に見せたPONの笑顔はとても柔らかくて優しかった。

_

ライブ後半、相変わらずの泣き虫っぷりも健在でPONは涙を見せつつも「バンドがバンドでいられるのはファンのみんなのおかげ」と、集まってくれたファンへ感謝の気持ちを伝える。そして「名前を呼ぶよ」「タイムライト」など、ライブで繰り返し演奏し、円熟味を増していった楽曲陣を披露。ライブ後半へ進むほど、深みと迫力を増していくPONの歌声が会場いっぱいに広がっていく。感情豊かなLOVE大石のビート、たくのバンドの芯を支えるリズム、ikomaの色彩豊かなメロ。4人で紡ぐ楽曲はそれだけでもしっかりとした強さを持っているが、「危なっかしい旗(バンド)をファンのみんなと一緒に強くしていきたい。一緒に乗り越えられるバンドになりたい。この景色の美しさがずっと続きますように」と、ライブハウスと、オーディエンスとともにこれからも成長していきたいと語り、本編ラスト「Ravers」へ。4人で歌い、オーディエンスと共に歌い、より強固なサウンドへと形作ると、アンコールでは「叶えたい夢がある。一番近くで鳴る音楽でありたい。人生に爪痕を残したい」と、再び音楽に懸ける思いを叫び「ハルカヒカリ」「サニーデイ」を披露。最後は「大阪、高槻、ラックライフでした」と、いつもの文句でステージは幕を閉じた。

_

思いや願いを言葉にし、声にすることで何度も形にしてきた彼ら。次に大阪で“理想像”なライブが観られるのは5月10日に開催される、毎年おなじみのラックライフ主催イベント「GOOD LUCK」だ。今年は「GOOD LUCK 2020~大阪の北側から。~」のタイトルの通り、会場を梅田クラブクアトロに移して開催される。出演者など詳細は後日発表予定とのこと。2020年新たな軌跡へと進んだ彼ら、これから先もきっといくつもの“理想”を形にしてくれるに違いない!

文: 黒田 奈保子
photograph:河上良

LIVE INFORMATION
ラックライフ 2020/05/10(日) 14:00 梅田CLUB QUATTRO