【ライブレポート】京都大作戦2025(DAY2)[2025/10/01]
2日目の「大作戦」も朝から太陽が燦々と照り付け、太陽が丘公園は灼熱の太陽にさらされていた。そんな観客たちの体を“ウンザ ウンザ”で目覚めさせたのが、トップバッターのバックドロップシンデレラ。初の源氏のステージということもあり、「とんでもないフェスに呼ばれてしまいました。出られたからには爪痕を残したい!」と、「フェスだして」など、序盤から観客を大いに踊らせた。
続いて登場したSHANKは、さらりとステージイン。まずは「Surface」からじわりじわりと熱を高めるギターフレーズを響かせる。ストイックに、着実に観客の心を捉えたところで、軽快なパンクサウンドを一気に展開。ここ数年、牛若のトリを務めていたが、今回は10年ぶりに源氏のステージに戻ってきた。「(ステージの)デカさに関係なく出れたらいいと思っていた。でも、大作戦はこのステージに戻ってきたかった」と心境を語り、「Good Night Darling」など、グッドメロディに思いを込めて音をぶつけていった。
まさに“悪魔降臨”、縦横無尽かつ傍若無人なステージングで観客を圧倒したのがSiM。「KiLLiNG ME」など地鳴りのように響く重厚なサウンドを放ち、次々と観客へと撃ち込んでいく。SiM流にアレンジした「第ゼロ感」ではTAKUMAも巻き込みながら、10-FEETへの愛と皮肉をたっぷり込めたパフォーマンスに観客は大喜び。
WANIMAは「丘の人も前にこーい!」とラフに呼びかけたと思いきや、大作戦のためのセットリストで挑みたいと「VIBES BY VIBES」からいきなりの嬉しいサプライズに、10-FEETの3人も飛び入りし、ステージは一気にお祭り騒ぎに。さらに「懐かしい曲バンバンやっていきます!」と宣言し、「Hey Lady!!」「いいから」、さらに新曲「爛々ラプソディ」まで披露。バンドのヒストリーをなぞるような豪華な布陣に誰もがハイに♪
牛若のステージでもBrown Basket、STOMPIN’ BIRD、SHADOWSといった、タフなライブバンドが渾身のプレイで観客を魅了。11年ぶりの出演となったSKA FREAKSは「遊び方は自由♪」とタフなスカサウンドで沸かし、KOTORIは「最強の音楽やりに来ました!」と滾る思いをステージにぶつける。NUBOは「1分1秒、全部ムダにしない!」とポジティブなロックサウンドで観客と真正面からぶつかり合い、初出演となるTHE BAWDIESはど真ん中のロックンロールパーティに大作戦ファンを誘う。
6年ぶりに出演したBRAHMANは「鼎の問」「SEE OFF」など、心の内側が昂らせる、激しくも流麗な布陣で観客の心を揺さぶる。ギターリフが響いた瞬間、歓声が沸き上がった「順風満帆」、細美武士とともに歌う「WASTE」。一時の瞬間も見逃せないステージが繰り広げられていく。TOSHI-LOWはTAKUMAへ、そしてチバユウスケへの思いを紡ぎ、音、人、心を繋いだ「charon」で唯一無二の時間を作り上げた。
Dragon Ashは、病気治療のため出演が叶わなかった櫻井誠の代わりに、The BONEZのZAXを迎えた特別編成で登場。「ここがオレたちの正念場! もうこんなこと言わないから…力貸してください!」と、Kjの叫びから「Fantasista」へなだれ込む。観客の声は時折バンドの音を凌駕するほどに大きく響く。力を貸すのは観客の声だけじゃない。The BONEZのKOKI、JESSEも加わり、Dragon Ash×The BONEZという、この日限りのスペシャルバンドに観客は狂喜乱舞! 「大作戦」だからこその伝説がまたひとつ加わった。
17年ぶり、2度目の出演を果たしたELLEGARDEN。「Salamander」「チーズケーキ・ファクトリー」など、新旧の楽曲が惜しみなく披露され、観客は笑顔で大きな声で歌い、拳を高く掲げ音に応える。その様子を見てメンバーもまた嬉しそうな表情を見せ、さらにタフなサウンドで応戦。「今のELLEGARDENをよろしくお願いします」、現在進行形の覚悟を感じる純度の高いパフォーマンスにフィールドからは拍手喝采が沸き起こっていた。
そして2日間を締めくくった10-FEETのステージ。色とりどりのバンドタオルが一面に掲げられたフィールドに迎えられ、3人は前日よりもリラックスした表情で登場。「その向こうへ」で始まったステージは、高揚感はもちろん、喜怒哀楽を昇華するような安心感すらも感じさせる。TAKUMA、NAOKI、KOUICHI、3人の音が曲を重ねるごとにパワーが増していく。それでも、2日間でたくさんの仲間のステージを観てきたTAKUMAはバンドや音楽を続けることの難しさに思いをはせたという。そしてたどり着いた答えは「その問題を解決させず、とにかくがむしゃらに前へ進めることが大切」ということ。それは1人のバンドマンとしてだけでなく、学校や仕事、誰しもに当てはまることで、いつだって人間臭く、もがきながら生き続けるTAKUMAらしい言葉で、観客はしかと言葉を受け取り、温かい拍手を送った。ライブはその後も「RIVER」でKj、JESSEとともに歌い騒ぎ、最後は「明日からまたオレらは解決せーへんまま行くんや!」と叫び「ヒトリセカイ」へ。生きるため、自分らしくあるため、前進あるのみ。「どんだけ時間かかってもいいから、幸せになれよ!」、最後まで人間味あふれる10-FEETのライブ。そして10-FEETだからこそ作り上げることができた「京都大作戦」。今年も2日間、無事に「終幕」!
10-FEET
文・黒田奈保子