【ライブレポート】京都大作戦2026(DAY1)[2026/08/07]

10-FEETが主催する「京都大作戦 2026~夏フェスキックオフ!情熱のパスを繋ぎな祭~」(以下、大作戦)が、京都・宇治にある京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージで、7月4日・5日の2日間にわたり開催された。源氏ノ舞台、牛若ノ舞台(以下、源氏、牛若)の2つのステージで、アーティストとオーディエンスが心をひとつにし、数えきれない伝説を作り上げてきた。今年は連日雨に見舞われる“田植え”状態が続くなか、29組のアーティストが熱気昂るパフォーマンスで観客を魅了。夏フェスの幕開けを勢いづけた2日間の模様をお伝えしたい。

初日のトップバッター・KUZIRAは「やっとここまで来たぜ!」と念願の源氏ステージに立てた喜びを叫び、怒涛の勢いでショートチューンを連発。トッパーとしてイベントの加速度を上げるべく「そんなもんじゃないだろ! マンネリ化するフェスシーンに風穴明けに来ました!」と煽ると、観客は拳を上げて呼応。エモーショナルなサウンドでフィールドは早くも大興奮に包まれた。
「京都代表、10-FEETの直属の後輩やらせていただきます!」と先輩へのリスペクトを示しつつ、「Universal Serial Bus」や新曲「アルゴリズムの犬」などで主役の座を奪わんとする豪快なステージを見せたのがヤバイTシャツ屋さんだ。学生時代に大作戦で10-FEETのライブを観て、その感動からバンド活動を始めたこやまたくや(Gt/Vo)。大作戦初出演から今年で10年。「10年前のヤバTよりかっこいいヤバTやります!」という宣言通り、進化の止まらないタフな姿で観客を魅了した。
14年ぶりの出演となったくるりは、唯一無二の音と世界観で観客を圧倒。フォーキーな「東京」から美しく緻密なメロディを響かせ、穏やかに熱を高めていく。アウトロのギターの美しさに心を奪われたと思えば、「ばらの花」など名曲を続けて披露。MCでは“雨バンド”らしいゆるい雰囲気でほっこりさせつつ、後半の「ロックンロール」で見せたロックンロールバンドとしての素晴らしさに、気持ちが大きく揺さぶられた。
「マカロニえんぴつの良さが10-FEETにバレましたね♪」。大作戦初出演に喜びの声を上げたマカロニえんぴつは、グッドメロディをかき鳴らしながらバンドの存在感を色濃くアピール。雨が降りしきるなか、「ブルーベリー・ナイツ」や「ヤングアダルト」では、感情を大きく揺さぶるがむしゃらなパフォーマンスが照明の光を受けてより一層ギラついて見え、改めてこのバンドの骨太さを思い知らされた。
源氏に負けじと、今年も牛若ステージでは熱戦が繰り広げられていた。MayForth、MARIO2BLOCK、カライドスコープ、FOR A REASON、サバシスター、アルカラ、Paledusk。全国を駆け巡るタフなライブバンドが顔を揃えたこの日、なかでも昨年に続き2度目の出演となったカライドスコープは、10-FEETが所属するレーベル・BADASSの後輩として、今この瞬間の勢いを見せつける一心不乱のステージで観客を躍らせた。
サンボマスターは「幸せになりたい人、踊れ! 雨だからこその伝説を!」と「青春狂騒曲」でドでかい熱量を観客にぶつける。シンガロングが雨音を消し去るようにフィールドに響くも、まだまだ物足りないと「ヒューマニティ!」「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」など特大アンセムを次々と投下。「ロックンロールを止めんな!」という渾身の叫びが胸を熱くさせた。
大作戦の“伝説”にDragon Ashは欠かせない。「ROCKET DIVE」「La Bamba」と多幸感いっぱいのお祭り騒ぎを作り上げていく。雨脚が強まるなか、Kj(Vo/Gt)は自ら水を被り、ずぶ濡れ&泥だらけの観客にさらなる熱気を求めて鼓舞。特大のサークルを生み続けるハイパワーなステージを繰り出しながら、なぜか美しく儚さも感じる圧巻のパフォーマンスに、ひと時も目が離せなかった。
2年ぶりの出演となるマキシマム ザ ホルモンは「去年1年間は大作戦のオーディションのつもりで頑張ってきた。今日は来年の出演への切符を得るために頑張る!」と、百戦錬磨のロックバンドであっても一切手抜きなしの本気のぶつかり合いを宣言。「KAMIGAMI-神噛-」など重厚なサウンドを振りかざす。足元はぬかるむ一方だが、伝説を作り上げることにそんなことは関係ない。真っ向勝負のライブバンド然とした姿に、ただ呆気に取られてしまった。
10-FEETの登場を前に、いつものようにフィールド一面にバンドタオルが掲げられる。雨や泥でびしょ濡れになったタオルを掲げる姿が誇らしく、メンバーはその光景を目に焼き付けるように「hammer ska」からめいっぱいのタフなサウンドをぶつけていく。「この雨や! 小学生の頃の思い出に戻って、とことん行こ! お前らと心中しに来た。壊れて消えるまで、一緒に行こかー!」。最後の最後まで観客と気持ちをひとつにしたいと「壊れて消えるまで」で共感力を高めていく。TAKUMA(Vo/Gt)、NAOKI(Ba/Vo)、KOUICHI(Dr/Cho)の3人が鳴らす、弱さを認め、強さへ憧れ、生きることにしがみつく音に思わず涙がこぼれた。Kjと大作戦のフィールドを美しい光で満たした「RIVER」、サークルピットから湯気が出るほど盛り上がった「蜃気楼」など、「みんなアホばっかりや♪」とTAKUMAが思わず笑ってしまうほど、観客は泥だらけでも満面の笑みを見せる。「帰り、絶対笑って帰ろうな!」。優しくて強くて心震わす「京都大作戦」初日は、鮮明な記憶を残して幕を閉じた。

10-FEET
文・黒田奈保子





【ライブレポート】京都大作戦2026(DAY1)






